示現塾 2005年04月30日(土) 本格版 342号
第4問 セキュリティと標準化(AN,PM,AE,NW,SS,SD向け)
分野-6-1-1/技術レベル-II/出題頻度-中/出典:SM14-20
あるWebサーバで,すべてのユーザが接続不能となった。このため,保守要員がWebサーバを調査したところ,ネットワークも含めてハードウェアには問題がなく,また,システムは稼働状態であり,ユーザとの接続が不能であること以外には異常がみられなかった。
Webサーバの設定やユーザの操作には誤りがないとすると,このWebサーバの異常の原因として,最も可能性が高いものはどれか。
ア TCP SYNの大量発生が起こった。
イ マクロ感染型のコンピュータウイルスに感染した。
ウ メール爆弾が投入された。
エ 論理爆弾が組み込まれていた。
«続きを隠す
私の解答:ア (正解)
解説:ア TCP は、3 ウェイハンドシェイクと呼ばれる方法で、コネクションを確立する。次の3 手順である。
(1) 送信元端末は、送信先端末に対し、コネクションの確立を要求するTCPパケットを送信する。この時、SYN フラグを 1 にする。
(2) 送信先端末は、送信元端末に対し、コネクションの確立要求に対する応答パケットを送信する。また、同時に、送信先端末が、送信元端末に対し、コネクションの確立を要求する。この時、SYN フラグを 1 にする。
(3) 送信元端末は、送信先端末からのコネクション確立要求に応答するパケットを送信する。この時、SYN フラグを 0 にする。
上記の中で使用されているSYN フラグとは、TCP ヘッダの先頭から、111ビット目にある1 ビットの同期フラグである。SYN は、Synchronizatoin の略である。
選択肢アにある TCP SYN とは、SYN 攻撃とか、SYN Flood 攻撃と呼ばれているもので、上記の 3 ウェイハンドシェイクを逆手にとったものである。
悪意を持っている送信元端末は、上記の(3) の段階で、何もしない。そうすると、送信先端末は、正常でない状態だと判断し、再送処理を行う。このような中途半端な状態を、ハーフオープン状態という。このハーフオープン状態を大量に起こすことで、送信先端末(攻撃したいWebサーバなど)は負荷が異常に上昇し、他の接続要求に応えられなくなる。TCP SYN は、一種のサービス妨害であり、Dos(Denial of service)攻撃の一つであるとも言える。